内容
半導体レーザによる乾燥は、広く用いられているコンベクションオーブンでの乾燥法に代わる省コストかつ環境に優しい方法です。均一なレーザスポットで最大側面2メートルまでの大面積への照射も可能になり、原則的にはレーザの波長に対して十分な吸収性があれば、あらゆる素材を乾燥させることが可能です。また、レーザが塗膜だけを加熱することで、局所的な溶剤蒸発やワーク上の焼結を実現します。使用されるレーザー光のスペクトル範囲は近赤外領域 (NIR) で、具体的には波長約900~1070ナノメートル、青色ダイオードの場合は約445nmです。既存の装置体系に簡単に組み込めることから、通常は出力1~50KWのファイバ出力型の高出力半導体レーザシステムが使用されています。

プロセスに半導体レーザを用いるメリット
- 半導体レーザのエネルギー効率は50%以上
- 乾燥させる層へのエネルギー伝達精度が高く、ほぼ100%のフォトン (光子) エネルギーが吸収され、乾燥に使われます。また、この方法は「コールド乾燥」とも呼ばれます
- 閉ループ制御(温度-レーザエネルギー)
- 極めて均質なレーザスポット、大きさの自由度、ズーム機能を搭載した試作にも対応
- コンベクションオーブン式と比べて25~50%の省エネ効果
ロールtoロール方式における半導体レーザでの乾燥:ガス式コンベクションオーブンやメンテナンスに手間がかかる赤外線ランプに代わる、優れた乾燥プロセス
半導体によって直に主電源からレーザー光への電気-光変換を行うため化石燃料に依存する必要がなく、プロセスにおいて無駄なエネルギーを消費しません。レーザベース乾燥プロセスは、生産現場の省スペース化に大きく貢献するとともに、エネルギー効率に優れたプロセス制御による高速化を実現します。特にリチウムイオン電池の製造における電極スラリーの乾燥には、Laserline製半導体レーザが最適です。
詳しい情報は、当社の ブログ記事や IDEELプレス資料でご覧いただけます。
