Laserline青色半導体レーザの主な仕様
最大出力* | 400 W | 800 W | 1.800 W | 2.000 W | 1.500 W | 3.000 W | 4.000 W | ||||
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ビーム品質 | 20 mm.mrad | 20 mm.mrad | 30 mm.mrad | 60 mm.mrad | 20 mm.mrad | 30 mm.mrad | 30mm.mrad | ||||
記載外の出力や、加工内容に合わせたビーム品質も承ります | |||||||||||
光ファイバーケーブル | 400 µm [NA 0,1] | 400 µm [NA 0,1] | 600 µm [NA 0,1] | 600 µm [NA 0,2] | 400 µm [NA 0,1] | 600 µm [NA 0,1] | 600 µm [NA 0,1] | ||||
ファイバー長 | 最大20m | ||||||||||
出力安定性 | ± 2%未満(2時間以上) | ||||||||||
波長範囲 | 445 nm ± 20 nm | ||||||||||
製品シリーズ | LDMblue | LDFblue |
*ファイバー長5mでの出力仕様
青色半導体レーザが初めて提供されたのは、2018年でした。3年間のドイツ連邦教育・研究省(BMBF)の高出力レーザ研究支援プログラム(EffiLAS)の支援により世界で初めて青色波長でのキロワット級発振半導体レーザが設計/開発され、この度初めて産業用光源として市販化されました。この、世界で唯一無二の技術の開発により、レーザ技術において可視波長帯でのレーザ光を用いた材料の加工という新しいセグメントが創り出されました。
現在、様々な産業用途で赤外域(IR)レーザは卓越した成果を成し遂げています。しかしながら非鉄金属、とりわけ銅の加工に赤外域レーザは適しているとは言いがたいことで知られています。非鉄金属のこの波長帯おけるレーザ光の吸収性の悪さがその本質的な原因として挙げられます。その加工では溶接のプロセスはしばしば不安定なものになり、製造不良に繋がる溶接不良も発生しています。高い吸収率を目指すには、青色域の450nmのような短い波長帯での高原が理想とされており、この青色域での何倍にも及ぶ高い吸収率は銅の溶接いおいて高品質で均一性の高い溶接を可能に致します。青色半導体レーザ光の使用で、銅や金のような非鉄金属加工のみならず異なる金属間同士での結合における、新たな可能性が生まれています。とりわけ再生可能エネルギーや代替エネルギーの分野においては、青色半導体レーザの使用における新しい可能性が期待されています。例えば電気自動車の製造では、通常のエンジンを使用した乗用車の製造よりも8kgも多くの銅が使用されています。一つ一つは小さい部品ですが、青色半導体レーザの加工用途は幅広い分野において新たな可能性を広げます。例えばバッテリーを製造する場合、10ミクロンの薄さの銅を組み合せたり他の金属と接合していますが、これは青色光を発振する高出力半導体レーザの登場で初めて可能となりました。
風力発電設備では、さらに多くの銅が必要となります。洋上風力発電装置では最大30トンの銅が使われますが、将来的にはここでもレーザ光源の使用が考えられます。質の高い接合部に仕上がることから、特に接合部に突出した耐熱性が求められるパワーエレクトロニクスの部品製造など、電気産業における用途とは極めて相性が良いと言えます。
青色レーザの新たな波長帯は、電気産業部門以外の新たな用途として、服飾小物を製造する際の金の加工にも広がりました。工業生産の現場では、この波長帯の高出力半導体レーザに関する技術革新が加速しています。こうした技術の発展に伴い、今後ますます多様な分野への応用が期待されています。